お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

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お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

相談内容

30代女性。受診対象かわからないため、ご相談させていただきます。最高血圧値が数日測っても100いかず、低いときで最高血圧89のときがあります。起床時の起き上がりや疲れやすいことはありますが、毎日血圧記録つけたほうが良いでしょうか?

米山先生からの回答

どうぞ医師にご相談ください。お問い合わせいただきありがとうございます。田園都市高血圧クリニックの院長、米山喜平です。数日間、最高血圧が100に達せず、起床時の起き上がりや疲れやすさが気になっているとのことですね。低血圧が続くと、日常生活に影響が出ることもあり、不安なお気持ちがあるかと思います。血圧が常に低めであり、特に起床時や疲労感がある場合には、日々の血圧記録をつけて変動のパターンを把握することが役立ちます。記録を通して傾向をつかむことで、医師に相談する際に症状の詳細を伝えやすくなり、対策を検討する際にも有用です。生活習慣や体調によっても血圧は変動しやすいものですが、心配な症状が続く場合には、どうぞ無理せず専門の医師(循環器内科、代謝内科の医師)がいる施設にご相談ください。当院でももちろんご相談できますのでご安心ください。以下に、質問をもとに一般的な低血圧の内容を記載しておきます。

 

低血圧の原因と対策 どうしたらいいの?

血圧が常に低めで、最高血圧が100未満のことが多い場合、低血圧の可能性が考えられます。一般に、最高血圧が90 mmHg以下の場合は「低血圧」とされることが多いですが、症状や生活への影響が重要です。低血圧自体は必ずしも健康リスクを伴うわけではありませんが、倦怠感や起床時のふらつき、疲れやすさなどの症状が日常生活に支障をきたす場合には、管理が必要な場合があります。

以下の点をご参考にしてください:

  1. 血圧記録の有用性
    血圧が日によってどの程度変動するかを把握するために、毎日の血圧記録をつけることは有効です。記録をつけることで、パターンや変動の傾向が分かりやすくなり、医師と相談する際に役立ちます。朝と夜、または起床後の立ち上がりの直後に測定することで、日内変動も把握できます。
  2. 低血圧の原因の検討
    血圧の低下は、体質や遺伝の影響、脱水や栄養不足、睡眠不足、ストレス、薬の影響などが関与している場合があります。症状が強い場合や長期間続く場合には、内科や循環器科の受診を検討することをおすすめします。
  3. 生活習慣の改善
    食事において塩分や水分を適度に摂取し、定期的に軽い運動を取り入れることで血流を促進し、低血圧の改善につながることがあります。特に朝の立ち上がり時にふらつきがある場合には、急に起き上がらず、ゆっくりと体を起こすようにすると症状の軽減に役立ちます。
  4. 医師への相談
    症状が続く、または強くなってきた場合には、医師に相談し、低血圧が日常生活に与える影響について詳しく話すことが大切です。医師の判断で、生活改善や必要な検査、場合によっては薬の処方が検討されることもあります。

 

 

低血圧に関わる病気ってどんなものがありますか?

低血圧が引き起こされる主な疾患・状態を列挙したします。

1. 副腎不全(アジソン病)

 副腎ホルモン(特にコルチゾールやアルドステロン)が不足すると、血圧が低下します。アジソン病では、疲労感や体重減少、皮膚の色が濃くなるなどの症状も見られます。

2. 甲状腺機能低下症

 甲状腺ホルモンが不足すると全身の代謝が低下し、血圧が低めになることがあります。この状態では、寒がりやむくみ、疲労感がよくみられます。

3. 起立性低血圧

 立ち上がると血圧が急激に低下し、めまいや失神を引き起こす状態です。自律神経の働きが低下していることが原因で、血圧の調節が不十分になることがあります。

4. 心臓疾患

 心筋梗塞や心不全などで心臓のポンプ機能が低下すると、血圧が維持できなくなり、低血圧を引き起こします。動悸や息切れ、疲労感が伴うことがあります。

5. 感染症や敗血症

 重篤な感染症が血管を拡張させ、血圧低下を引き起こすことがあります。特に敗血症性ショックは生命の危険があるため、迅速な治療が必要です。

6. 脱水

 体液が減少することで、血圧が下がります。嘔吐や下痢、発熱による脱水では血液量が減少し、低血圧が発生しやすくなります。

7. 薬剤性低血圧

 一部の降圧剤や利尿薬、抗うつ薬などが副作用として低血圧を引き起こすことがあります。服用中の薬が原因と思われる場合には、主治医に相談することが大切です。

8. 慢性疲労症候群

 長期間にわたる疲労や虚弱感が特徴で、血圧が低くなることがあります。自律神経のバランスが崩れていることが関係していると考えられています。

9. 神経疾患(パーキンソン病など)

 パーキンソン病などの神経疾患では、自律神経がうまく機能せず、低血圧が生じることがあります。

10. 起立性調節障害(OD)

 特に若年層で見られる疾患で、立ち上がった際に血圧が低下し、ふらつきやめまいを感じることが特徴です。これは、自律神経が適切に働かず、体位変化に伴う血圧調節がうまくできないために起こります。症状が続くと疲れやすさや集中力の低下も引き起こし、日常生活や学校生活に影響を与えることがあります。

これらの疾患や状態により低血圧が引き起こされることがあります。症状が長引く場合や生活に支障が出る場合には、医療機関での評価や適切な治療が推奨されます。

 

 

低血圧ってどんな検査をするのですか?

低血圧や起立性調節障害などの症状を評価するため、以下のような検査が行われることがあります。検査は症状や病歴に基づいて医師が判断し、必要に応じて組み合わせて実施します。

 

1. 血液検査

  • 目的: 貧血、甲状腺機能、電解質バランス、副腎機能などを確認し、低血圧や疲労感の原因を特定します。
  • 詳細: ヘモグロビン、クレアチニン、電解質、甲状腺ホルモン(TSH、フリーT4)、副腎ホルモン(コルチゾール、アルドステロン)などが測定されます。

 

2. 心電図(ECG)

  • 目的: 心拍リズムや心筋の異常を調べます。
  • 詳細: 心臓の電気的活動を記録し、低血圧や動悸の原因として不整脈がないかを確認します。

 

3. 心エコー(超音波検査)

  • 目的: 心臓の構造や機能を評価します。
  • 詳細: 心臓の形状や血液の流れ、心筋の動きなどを観察し、心臓が正常に機能しているか確認します。

 

4. ホルター心電図

  • 目的: 24時間の心電図を記録し、日常生活中に現れる不整脈や心拍数の変動を確認します。
  • 詳細: 通常の心電図では確認できない一過性の不整脈や心拍数の変動が記録されるため、疲労感や動悸がある人に有効です。

 

5. 頭部MRI

  • 目的: 頭部の異常や神経系の問題を確認します。
  • 詳細: 起立性低血圧や神経疾患が疑われる場合に、脳血管や神経系の異常を確認するために実施されることがあります。

 

6. 起立試験(ティルトテスト)

  • 目的: 起立性低血圧や起立性調節障害を評価します。
  • 詳細: ベッドに横になり、徐々に立ち上がる姿勢に変更することで血圧や心拍数の変動を観察し、立ちくらみやめまいの原因を調べます。

これらの検査を通じて、低血圧の原因や体の状態を総合的に把握し、最適な治療方針を立てることが可能です。

 

低血圧の治療はどんなものがありますか?

低血圧や起立性調節障害の治療は、症状の原因や重症度に応じて異なります。以下は一般的な治療方法です。

1. 生活習慣の改善

  • 水分摂取: 十分な水分を摂ることで、血液量を増やし、血圧を安定させることができます。
  • 塩分摂取: 食事で適度に塩分を摂ることで、血圧を上げる効果が期待されます。ただし、医師の指導のもとで行うことが大切です。
  • 運動: 定期的な運動、特に下半身の筋力を強化する運動は、血流改善に役立ちます。
  • 姿勢の工夫: 起き上がる際はゆっくり行い、急に立ち上がるのを避けるようにします。

 

2. 薬物療法

  • ミドドリン: 血管を収縮させ、血圧を上昇させる薬です。特に起立性低血圧の症状を改善するために使用されます。
  • フルドロコルチゾン: 体内の塩分と水分を保持することで、血液量を増やし、血圧を上昇させる薬です。
  • ベータブロッカー: 低血圧の原因が神経系の異常による場合、交感神経の過剰な活動を抑制するために使用されることがあります。

 

3. 理学療法・リハビリテーション

  • 起立トレーニング: 徐々に立位をとる練習を行い、体が起立姿勢に順応するようにします。ティルトテーブルを使用することもあります。
  • 下肢筋肉強化: 下肢の筋肉を強化することで、血液が下半身に溜まりにくくなり、血圧を安定させます。

 

4. 心理的サポート

  • カウンセリング: 起立性調節障害や低血圧に関連する不安やストレスがある場合、カウンセリングが有効です。心理的なサポートが日常生活にプラスの影響を与えることが多くあります。(注:カウンセリングが必要な場合には、自身で心療内科にお問い合わせください)

これらの治療法は、症状の改善に向けてさまざまな角度からアプローチするものであり、医師と相談しながら最適な治療計画を立てることが重要です。

 

最後に

当クリニックでは、高血圧のみならず、低血圧や起立性調節障害など、日常生活に支障をきたすさまざまな症状に対しても診断と治療を行っています。多くの患者様が「検査結果は正常だが、どうしても体調が良くならない」といった悩みを抱えて来院されます。こうした場合、体調不良が続くことでストレスがかかり、改善が難しく感じられるケースも少なくありません。

しかし、診断の過程で低血圧の原因が重大な病気でないことが確認されたり、ストレスに伴う自律神経の不調が原因であると分かることで、安心される方が多くいらっしゃいます。低血圧の症状は見過ごされがちですが、日常生活に大きな影響を与えることがあります。私たちは、患者様が毎日を快適に過ごせるよう、生活の質の向上をサポートすることを大切にしています。ご質問ありがとうございました。

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