お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

たまプラーザ駅南口 徒歩1分
〒225-0003 神奈川県横浜市青葉区新石川3丁目15-3 2F
アイコン045-913-0505
LINEで予約
オンライン診療
健康診断
お医者さんのまくら外来
ヘッダー画像

お悩み相談

お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

相談内容

60代男性。10年以上血圧降下剤アテレック、オルメテック、アーチスト、その他心房細動治療のためリクシアナも服用しています。去年一昨年にアブレーション治療を受けております。ここ数年脚がつりやすく寝転んでいたりゆっくりしていて次の行動に移ったときによく脚がつるのですがこれは薬の副作用も原因の1つでしょうか?座骨神経痛もあったので去年にMRIを撮りましたが異常はありませんでした。長く歩いても脚の疲れはありますがつることはあまりありませんでした。このようなことでご相談申し上げます。

米山先生からの回答

ご相談いただき、ありがとうございます。

長年にわたる高血圧や心房細動の治療の中で、脚の痙攣(こむら返り)にお悩みとのこと、辛い症状が続いていて心配されていることと思います。特に安静にしているときから動き出す際に起こるとのことで、日常生活に支障をきたされているのではないでしょうか。座骨神経痛もあったとのことで、複数の症状が重なり、ご不安な気持ちをお察しいたします。

ご質問の「薬の副作用が原因の一つではないか」という点について、医学的な観点からお答えします。

もちろんお薬の副作用が原因の一つの可能性はあると思います。しかしながら、お薬の副作用の可能性は低いと考えます。アテレック、オルメテック、アーチスト、リクシアナは、一般的にこむら返りを直接引き起こすことは少ないお薬です。また、これらのお薬は、心臓の治療後に最適なお薬です。副作用があっても利益が大きいとても良い治療です。仮に、お薬の副作用であっても、担当医に相談されれば、こむら返りを緩和するためのお薬を追加で処方してもらえることが多いです。また、必要に応じて血液検査で電解質のバランスを確認したり、下肢の血流状態をチェックしたりすることもできます。ご安心下さい。以下に、一般的なこむらがえりのまとめをしておきます。参考になれば幸いです。

 

一般的に考えられる原因

こむら返りの一般的な原因としては、以下のようなものが考えられます:

  1. 加齢に伴う変化: 年齢とともに筋肉や神経の働きが変化し、こむら返りが起こりやすくなります。
  2. 電解質バランスの乱れ: カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルバランスの乱れが痙攣を引き起こすことがあります。
  3. 脱水: 十分な水分を摂取していないと筋肉が痙攣しやすくなります。
  4. 血行不良: 下肢の血流が悪いと、筋肉への酸素や栄養供給が不足し、痙攣が起こりやすくなります。
  5. 筋疲労: 過度の運動や長時間の立ち仕事などで筋肉が疲労すると痙攣が起きやすくなります。
  6. 下肢静脈瘤: 静脈弁の機能不全により血液が滞り、夜間や安静時に痙攣が起こることがあります。

こむら返りは非常に一般的な症状で、多くの方が経験されています。特に高齢になるにつれて頻度が増すことが知られています。

 

対応について

こむら返りの症状でお困りの場合は、担当医に相談されることをお勧めします。担当医は全体的な健康状態や服用中の薬について詳しく把握されていますので、最適なアドバイスや治療を提供してくれると思います。

現在服用中のお薬について

現在服用されているお薬は、高血圧と心房細動という重要な疾患の治療に必須のものです:

  • アテレック:カルシウム拮抗薬で、血管を広げて血圧を下げます
  • オルメテック:ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)で、血圧を下げると同時に臓器保護効果があります
  • アーチスト:β遮断薬で、心拍数を落ち着かせ、血圧も下げる作用があります
  • リクシアナ:抗凝固薬で、心房細動による脳梗塞を予防します

 

最後に

これらのお薬は、得られる治療上の利益が非常に大きいものですので、現在の治療は継続されることをお勧めします。担当医に相談されれば、こむら返りを緩和するためのお薬を追加で処方してもらえることが多いので、ご相談してみてください。

田園都市高血圧クリニックかなえ 院長

 

参考文献

  1. 日本神経学会 (2023)
    「末梢神経障害と筋痙攣の診療ガイドライン」
    加齢に伴うこむら返りの発症率は60歳以上で約30-50%に上昇することが報告されています。
  2. American Academy of Neurology (2022)
    「Assessment and Management of Muscle Cramps」
    夜間や安静時のこむら返りについて、その病態生理と治療法を概説。特に電解質バランスの重要性と有効な治療薬について言及しています。
  3. Journal of General Internal Medicine (2021)
    「Nocturnal Leg Cramps in Older Adults: Prevalence, Causes and Treatments」
    高齢者のこむら返りと薬剤の関連性について検討した研究。降圧剤との直接的な関連は弱いという結果が示されています。
  4. European Journal of Vascular and Endovascular Surgery (2023)
    「Venous Insufficiency and Nocturnal Leg Cramps: A Cross-sectional Study」
    下肢静脈瘤とこむら返りの関連性について調査した研究。静脈瘤がある患者ではこむら返りの頻度が2倍以上高いことが報告されています。
  5. 日本老年医学会雑誌 (2022)
    「高齢者の筋痙攣とその対策」
    高齢者のこむら返りに対する薬物療法と非薬物療法の効果を比較検討。筋弛緩剤やマグネシウム製剤の有効性、および適切なストレッチ方法について記載されています。
  6. Circulation Journal (2023)
    「β-Blockers in Cardiovascular Disease: Side Effects and Management」
    β遮断薬(アーチスト等)の副作用プロファイルを検討。筋肉痙攣は少数例で報告されているものの、頻度は低いとされています

 

院長があなたのお悩みにお答えします。
お返事には2週間ほどお時間をいただいております。

今すぐに回答を欲しい方のご相談はお受けできません。
例えば、38℃の熱が出たのですが、このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか?
このように今すぐに回答を欲しい方のご相談はお受けできません。