お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

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お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

相談内容

50代男性。4年前に脳内出血を起こしました。高血圧が原因と診断され、現在は牧田総合病院で高血圧の治療を続けています。

現在の処方薬は以下の通りです:

  • エンレスト 200mg × 2錠

  • シルニジピン 10mg × 2錠

  • トリクロルメチアジド 1mg × 1錠

この3つの薬を約3年間服用しており、現在の血圧は120~130 / 70~80 mmHgで安定しています。ところが、今年に入ってから手先に震えが出るようになりました。自分なりに調べてみたところ、エンレストの副作用の可能性もあるのではないかと思い、病院で相談しましたが「関係ない」と言われました。それでも納得ができず、この薬を本当に飲み続けるべきかどうか疑問が残っています。エンレストは高価な薬でもあり、このまま継続してよいのか、ご意見を伺いたくご相談させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

米山先生からの回答

ご相談ありがとうございます。「高価な薬を本当にこのまま飲み続けてよいのか?「今年に入ってから出てきた“手の震え”は、もしかすると薬の副作用なのではないか?」このような不安を感じておられるお気持ち、とてもよくわかります。とても大切な問いだと思います。エンレストによる「手の震え」は、一般的な副作用として頻繁に報告されているわけではありません。ただし、個人差や体質によって副作用が現れることはあります。たとえば、薬との因果関係を調べる方法のひとつに、一定期間エンレストを中止し、他の薬剤に切り替えてみることがあります。その結果、震えが軽減するようであれば、「薬が原因だった可能性がある」と判断する材料になります。もちろん、中止や変更は主治医の先生との相談のうえで慎重に行うべきですが、ひとつの選択肢かもしれません。主治医の先生とよくご相談のうえで進めていただくことをおすすめします。以下に、一般的な情報となりますが、エンレストの役割や効果、脳出血後の血圧管理、そして手の震えについての考え方を整理しておきます。参考になれば幸いです。

 エンレストの役割と効果について

エンレスト(サクビトリル・バルサルタン)は、心不全治療薬として開発され、高血圧にも有効な薬です。特に確実な降圧効果があり、1日を通じて血圧を安定させやすいことが特長です。

とくに以下のような方に対しては、エンレストの使用が非常に効果的です:

  • BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が高い方

  • 心エコーで左室肥大・拡張障害がある方

  • むくみ・息切れ・だるさといった心不全症状がある方

  • 心電図異常(左脚ブロック、LVH、期外収縮など)がある方

  • 心臓の収縮力が低下している方(心不全・EF低下など)

 エンレストの主な副作用について

エンレストは非常に優れた薬ではありますが、以下のような副作用のリスクもあります

  • 血圧低下(めまい、立ちくらみ)

  • 高カリウム血症(筋力低下、しびれ、不整脈)

  • 腎機能の悪化

  • 咳、疲労感、消化器症状(吐き気、下痢など)

  • アレルギー反応(皮膚のかゆみ、発疹)

  • まれに、**血管性浮腫(舌や喉の腫れ)**を起こすことがあります。

手の震えは上記のような副作用には含まれていませんが、間接的な影響(電解質異常や腎機能低下など)を介して症状が出る可能性もあります。

脳出血後の血圧管理のポイント

脳出血後の再発を防ぐためには、安定した血圧管理が最も重要です。

  • 家庭血圧:135/85 mmHg未満(可能であれば125/75未満が望ましいです)

特に早朝や夜間の血圧が高くならないよう、1日を通して血圧を安定させる薬の選択が大切です。

エンレストはこの点でも非常に有効であると考えられます。

「手の震え」について

手の震えは、日常生活でも非常に気になる症状です。以下に手の震えの鑑別を列挙します。

鑑別診断

  • 本態性振戦(加齢性、動作時に目立つ)

  • パーキンソン病(安静時に出現、動作の鈍さや筋固縮を伴う)

  • 甲状腺機能亢進症(代謝亢進により震え、動悸、体重減少)

  • 電解質異常(カリウム、カルシウム)や低血糖

  • 薬剤性振戦(他剤の影響、カフェインなど)

 推奨される検査

  • 血液検査、神経学的診察、必要に応じて神経内科や脳MRI検査など

✨ 最後に

すでに通院されている医療機関での判断には、主治医の先生がこれまでの経過や背景をよく把握されているという強みがあります。私たちからの情報や見解は、あくまでも補助的な視点としてご参考にしていただければ幸いです。主治医の先生とよくご相談のうえで進めていただくことをおすすめします。当院では、エンレストの適応評価、薬の見直し、心機能や震えの原因精査まで、総合的な対応が可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。

院長 

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