心不全
心不全
心不全の症状は、
(1)ポンプ機能低下に伴い全身の臓器に十分な血液が流れないことから起こる症状
(2)全身の血液が心臓に戻りにくく、うっ滞することによって起こる症状
に分けて説明することができます。
・疲労感、脱力感:心臓から送られてくる血液量が少なくなるため、筋力が低下し、疲れやすくなります。
・四肢の冷感・チアノーゼ:末梢に血液が行きにくいため、頬、耳たぶ、手足の指先が冷たく、青色を帯びてきます。
・その他:心不全の初期には夜間の頻尿が認められることがあります。
・息切れ:血液が心臓に戻りにくく、血液中の水分が血管から肺にしみ出すようになると軽い運動でも息切れするようになります。
・呼吸困難:夜間就寝中に起こる呼吸困難を発作性夜間呼吸困難といいます。そうした場合、イスに腰掛けるなどの姿勢をとると呼吸が楽になります。これを起坐呼吸と呼んでいます。ときに気管支喘息と誤ることがあります。
・むくみ(浮腫):うっ滞した静脈から水分がしみ出た状態をいいます。下肢によくみられ、むこうずねの下あたりを強く抑えると指のあとが残ります。また、むくみがあるとその分体重が増加しますので、短期間で体重が増加する場合は要注意です。
・その他:食欲不振や時に頸静脈の怒張がみられます。
・胸部エックス線検査
胸にエックス線を照射し、心臓の異常の有無を調べます。心不全の場合、正常な場合に比べて、心臓が大きくなっている様子がわかります。
心不全のマーカーとなるBNP(心臓から分泌されるホルモンの一種)を測定します。
胸にゼリーを塗り、プローブと呼ばれる超音波を発信する機器をあてて、心臓の機能を調べる検査です。心臓の収縮や弁の動きも見ることができます。体への負担が少ないのが特徴です。