70代女性。背中と胸の痛みと皮疹があります。これ帯状疱疹ですか?
ご質問、受診を頂きありがとうございます。たまプラーザの内科・循環器の田園都市高血圧クリニックです。
治療経過
帯状疱疹でしたので抗ウイルス剤と痛み止めの治療を開始しました。皮疹の改善とともに痛みも改善し安心しました。
帯状疱疹とは?
片側の神経分布領域に一致して、皮膚の違和感あるいは痒みが数日から1週間続き、やがて虫さされのような浮腫性の紅斑が出現します。間もなく紅斑上にみずぶくれが多発し、水疱は中央にくぼみがあり内容は初め透明ですが、黄色い膿疱となり、6~8日で破れてただれまたは潰瘍になります。皮疹の出現後1週間までは赤みや水疱がでて、皮疹部の拡大がみられますが、以後治癒に向い、約2週間でかさぶたとなり、約3週間でかさぶたは脱落して治癒します。
帯状疱疹は他の人から感染して帯状疱疹になるわけではありません
水痘(みずぼうそう)の時に主に皮膚にでた発疹から神経を伝わって所属の後根神経節内に痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)ウイルスが潜伏するといわれております。潜伏感染していたウイルスが何らかの誘因で、再活性化して発症するのが帯状疱疹です。過労やがん、免疫機能の低下、糖尿病などが誘因としてあげられます。他のヒトから感染して帯状疱疹になるわけではありません。
帯状疱疹の合併症は?
顔面の帯状疱疹の場合、顔面神経麻痺、味覚障害、内耳障害を伴うことがあります(ラムゼイ-ハント症候群)。腹部の帯状疱疹では、便秘を伴うことがあります。仙骨部の帯状疱疹の場合、腰痛や尿が出にくくなることがあります。
帯状疱疹の痛みの治療は?
痛みは突き刺すような痛みで、軽度なものから夜も眠れないほどの痛みまでさまざまです。皮疹の治癒と同時に疼痛も消失しますが、一部の症例では年余にわたって疼痛が続く場合があります(帯状疱疹後神経痛)。帯状疱疹の出現している時の急性期疼痛に対しては、アセトアミノフェンなどを使います。慢性の帯状疱疹後神経痛には、神経ブロックなどすることがあります。初期重症な者ほど移行しやすいと云われ、初期の抗ウイルス薬投与が重要です。
最後に
帯状疱疹は決算期、連休後、お盆後、年末など疲労が重なる時に多くみられます。しっかり休むことも大切だと思いました。今後もあなたの健康を維持していきます。