お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

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お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

相談内容

50代女性。はじめまして。ホームページの更年期高血圧について拝読し自分も当てはまるのか?と思い相談させていただきます。40代後半あたりから病院で血圧を測ると高く出るようになりました。それまでは血圧は低めで気にする事がなかったのですが、特に50代になってからは急に160以上になる事もあり健康診断の測定時に異常に緊張するようになってしまっています。家庭用血圧計を購入し、朝晩測ると毎回95〜110位です。スーパーなどの簡易血圧計などでも110位です。医師には家庭での血圧正常でも上下してしまう事が良くないと言われ不安になっております。LDLコレステロールもここ5年くらいで徐々に上がり先日180と高い事もあり医師は生活習慣病として薬を勧めたい様子。(中性脂肪、HDLは正常値)。これらの数値が更年期によるものだった場合でも血圧、コレステロールの治療が必要なのでしょうか。通常の内科だと数値で即治療を言われてしまうので病院に行くのもなんだか気が重く相談させていただいた次第です。

米山先生からの回答

高血圧とコレステロールの問題について、特に病院での血圧測定で高い数値が出るというお悩みをお持ちのようですね。それに加えて、家庭での血圧測定では正常範囲内であるとのことで、このギャップがご不安を増していることと思います。ご質問ありがとうございます。このような状況は、非常に戸惑いや不安を感じるものです。血圧が時と場所によって異なる場合、それは「白衣高血圧」と呼ばれることがあり、病院やクリニックで測定する際に緊張することで一時的に血圧が高くなる現象で、内服は不要なことが多いです。一方で、LDLコレステロールの上昇は、更年期だけでなく生活習慣にも影響されるため、食生活の見直しや適度な運動が推奨されます。これらの数値が女性の自然歴によるものであっても、高血圧や高コレステロールは心血管疾患のリスクを高めるため、適切な管理と治療が必要です。しかし、治療法は必ずしも薬に頼る必要はありません。診断が大切です。例えば、減塩も大切なのでが、実際の塩分摂取量が12gですと診断することが大切です。体組成にて筋肉量(運動習慣)、脂肪量(食事習慣)を測定しています。このように、治療は必ずしも薬の頼る必要がなくしっかりとしたライフスタイルの診断、測定を行い、どのように改善してくのかを医師と考えることが重要です。病院に行くことに抵抗がある場合は、まずは信頼できる医師とじっくりと話をすることをお勧めします。具体的な不安や疑問を正直に伝え、共に最適な治療方針を決定していくことが重要です。参考になれば幸いです。

以下に一般的な内容ですがまとめておきます

 

白衣高血圧とは?

「白衣高血圧」とは、病院やクリニックなどの医療機関で血圧を測定した際に、緊張や不安から血圧が一時的に高く測定される現象を指します。これに対して、家庭などでリラックスした状態で測定した血圧は正常範囲内であることが多いです。すぐに高血圧の薬を処方するのではなく血圧測定しながら観察していきます。しかしながら、白衣高血圧は将来的に持続的な高血圧を発症するリスクが高いことが示されています。これは、白衣高血圧が見られる段階で既に血圧調節機能に何らかの問題が発生している可能性があるためです。もともと高血圧のなかった時の身体と、白衣高血圧の身体で何かが変わってきたのかもしれません。

 

高血圧の原因は何ですか?

高血圧(Hypertension)の原因は多岐にわたります。

  • 遺伝的要因: 高血圧は家族歴が影響することが多く、親や兄弟に高血圧の人がいる場合、高血圧になるリスクが高まります。
  • 年齢: 年齢とともに血管の弾性が低下し、高血圧になりやすくなります。
  • 肥満: 体重が増加すると、心臓により多くの血液を送り出す必要があり、それに伴い血圧が上昇します。
  • 食生活: 高塩分の食事は血圧を上昇させることが知られています。また、過度のアルコール摂取も血圧に悪影響を及ぼします。
  • 運動不足: 定期的な運動をしないライフスタイルは、高血圧のリスクを増加させます。
  • ストレス: 長期間のストレスは自律神経のバランスを崩し、血圧を上昇させることがあります。
  • 腎疾患: 腎臓病は高血圧の重要な原因であり、腎機能の低下は血圧の調節能力に影響します。
  • 内分泌疾患: 甲状腺機能異常、副腎皮質機能亢進(クッシング症候群)、副腎腫瘍(褐色細胞腫)などが高血圧を引き起こす可能性があります。
  • 睡眠時無呼吸症候群: 睡眠時に呼吸が停止することで血圧が上昇することがあります。
  • 薬剤性: 一部の薬剤、特に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、一部の抗うつ薬、免疫抑制剤などが血圧に影響を与えることがあります。

 

白衣高血圧でも降圧剤を内服することがある?

血圧が低い場合でも、降圧剤を内服することがあります。降圧剤が推奨される状況は、降圧剤が持つ特定の心血管腎脳保護効果や他の有益な影響によるものです。

  1. 心不全: 特にACE阻害薬やアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、ベータ遮断薬は心臓の負担を軽減し、心不全の進行を遅らせる効果があります。

  2. 冠動脈疾患 (CAD): 冠動脈疾患がある場合、特定の降圧剤は心筋梗塞の再発防止や心臓の負担軽減に寄与します。

  3. 脳卒中後: 脳卒中を経験した患者は、再発を防ぐためにしばしば降圧剤を用いて血圧を管理します。

  4. 慢性腎臓病 (CKD): 高血圧は腎臓の損傷を加速させるため、慢性腎臓病の患者は腎機能のさらなる悪化を防ぐために血圧を厳格に管理する必要があります。

  5. 糖尿病: 糖尿病患者では心血管疾患のリスクが高くなるため、降圧剤を用いて心血管イベントのリスクを減少させることが推奨されます。

  6. BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が高い方: BNPが高い場合は心臓が過大なストレスを受けていることを示しており、これを管理するためにも降圧剤が用いられることがあります。

  7. 弁膜症の患者: 弁膜症により心臓に追加の負担がかかるため、降圧剤を用いることで心臓の労働負荷を軽減し、症状の管理を助けます。

  8. 不整脈がある方: 特定の降圧剤は不整脈を管理し、心臓のリズムを安定させるのに効果的です。

これらの症状や条件を持つ患者においては、血圧が低いと感じられるレベルであっても、降圧剤を用いて血圧を適切な範囲に保つことが、全体の健康管理と疾病予防の戦略の一環とされています。もし、白衣高血圧があり、心臓や他の臓器に軽度の異常があれば降圧剤が望ましいことがあります。

 

 

白衣高血圧でも降圧剤の内服を考慮する検査所見

以下に高血圧の検査と、白衣高血圧でも降圧剤の内服を考慮する検査所見を列挙します。

1. 心電図(ECG)による左室肥大の評価

心電図(ECG)では、高血圧による心臓の影響を評価するために左室肥大の有無を調べます。左室肥大は高血圧症の重要な合併症であり、心臓が血液を全身に送り出すために余分な労力を要することから起こります。

診断基準:Sokolow-Lyon基準: V1でのS波とV5またはV6でのR波の振幅の合計が35 mm以上を用いています

 

2. 血管年齢の評価(CAVI)

血管年齢の評価には、CAVI(Cardio-Ankle Vascular Index)が用いられます。この指数は、血管の硬さを非侵襲的に評価する方法で、心臓から足首までの血管の波動伝播速度を測定します。

診断基準:

  • CAVIスコア9以上: 血管の硬さが顕著で、動脈硬化の可能性が高いことを示します。

 

3. 四肢の血圧測定(ABI)

四肢の血圧測定により、手足の血圧差を評価します。特に、足首と上腕の血圧を比較する足首上腕指数(ABI: Ankle-Brachial Index)は、下肢の動脈疾患のスクリーニングに有用です。

診断基準:

  • ABI値: 通常、ABI値は0.9〜1.3の範囲が正常とされます。
  • ABI値が0.9未満: 下肢動脈疾患(PAD)を示唆し、血管が狭窄または閉塞している可能性があります。
  • ABI値が1.3以上: 血管が硬すぎる場合に見られ、糖尿病などが原因で起こることがあります。

 

4.血圧の左右差の測定

  • 左右差の存在通常、血圧はどちらの腕でもほぼ同じかわずかな差があることが一般的です。しかし、10 mmHg以上の差がある場合、それは何らかの異常を示唆しています。
  • 疾患の発見:大きな左右差が見られる場合、血管の狭窄、動脈硬化、または血管の構造異常など、さまざまな状態が考えられます。特に、上腕動脈狭窄などが原因であることがあります。

 

5. 採血検査

採血検査では、ホルモンレベルを含む多岐にわたるバイオマーカーを評価します。ホルモンの異常が血圧に影響を与えることがありますので、特に副腎由来のホルモン(アルドステロン、コルチゾール)や甲状腺ホルモンの評価が重要です。

これらの検査により、高血圧の診断、管理、および治療計画の策定において重要な情報が得られます。これに基づき、適切な医療介入が可能になり、合併症の予防に寄与します。

 

6. 尿検査

尿検査は、高血圧を含む多くの健康問題の診断と管理に不可欠です。この検査を通じて、腎機能の評価、感染症の発見、代謝異常の診断など、多方面の重要な健康情報を得ることができます。尿検査で評価される主な指標には以下のものがあります:

  1. 尿蛋白(プロテイン)陽性の場合通常、腎臓は蛋白質を血液中に保持する役割を持っています。尿中に蛋白質が見られる場合、腎臓の病気や損傷が疑われます。
  2. 尿潜血陽性の場合尿路感染症、腎炎、尿路結石、腫瘍など、尿路系のさまざまな疾患が考えられます。
  3. グルコース陽性の場合健康な人では尿中にグルコースは通常見られません。尿中グルコースが検出される場合、糖尿病やその他の代謝異常が疑われます。
  4. ケトン体陽性の場合体が脂肪をエネルギー源として使用していることを示し、糖尿病のケトアシドーシスや断食、低炭水化物ダイエットなどが原因である可能性があります。
  5. pH(尿の酸性度・アルカリ度)尿のpH: 尿の酸性度やアルカリ度を測定し、尿路感染症や尿路結石などの状態を評価します。尿のpHは食事や薬物、代謝状態によって変動します。
  6. 比重 尿の比重: 尿の濃度を測定し、腎臓がどれだけ効率的に尿を濃縮または希釈しているかを示します。腎機能の異常や脱水状態を評価するのに役立ちます。
  7. 塩分摂取量 尿中のナトリウム量を測定し、患者の塩分摂取量を推定します。これは、特に高血圧管理において重要な情報を提供します。

これらの検査は、簡単かつ迅速に行えるため、初期診断やフォローアップ検査の一環として広く利用されています。特に高血圧が疑われる場合、これらの検査を通じて腎機能の評価を行うことは、適切な治療計画を立てる上で非常に重要です。尿検査の結果に基づき、必要に応じてさらに詳細な検査や専門的な治療が行われます。

 

 

7. 体組成検査

体組成検査は、体の健康状態を理解するための重要なツールです。この検査により、体の脂肪量、筋肉量、水分量など、さまざまな成分を評価できます。特に、脂肪量と筋肉量の測定は、個人のライフスタイルや健康状態についての貴重な情報を提供します。

脂肪量の測定

脂肪量は、体内の全脂肪組織の量を示します。過剰な脂肪は、多くの健康問題のリスクを高めるため、この指標は特に重要です。

  • 食事との関連: 脂肪量は、食事のカロリーや栄養バランスに直接的に影響されます。特に高カロリーかつ栄養バランスが悪い食事を続けると、体脂肪が増加しやすくなります。
  • 健康への影響: 高い体脂肪率は、心血管疾患、2型糖尿病、一部のがんなど、多くの慢性疾患のリスクを増加させることが知られています。

筋肉量の測定

筋肉量は、体内の全筋肉の重量を示します。筋肉は、日常生活の活動や代謝に欠かせない役割を果たしています。

  • 運動との関連: 筋肉量は運動によって増加することが一般的です。特に重量を持ち上げるような抵抗トレーニングは、筋肉の量を増やし、筋力を向上させます。
  • 健康への影響: 適度な筋肉量は、血糖管理、体力の維持、老化予防に寄与します。また、筋肉は基礎代謝率を高めるため、体重管理にも役立ちます。

更年期の体の変化は個人差が大きいため、自分に合ったアプローチを見つけることが大切です。ご自身の体を大切にし、無理のない範囲で健康管理を続けてください。田園都市高血圧クリニックでは、初診時に高血圧の原因精査のための心電図、血管年齢、血圧専用の血液検査を行い、診断後の治療計画を提案します。女性特有の高血圧や脂質異常症に対しても、体組成測定を通じて適切なアドバイスを行います。内服薬の必要性については、検査結果に基づいて個別に検討します

 

LDLコレステロールについて

LDLコレステロール(低密度リポプロテインコレステロール)は心血管疾患のリスク評価において重要な指標であり、患者のリスクプロファイルに応じてLDLコレステロールの目標値を設定することが一般的です。年齢、家族歴、喫煙、高血圧、糖尿病などのリスク要因を考慮に入れます。以下に心血管リスクレベルに基づくLDLコレステロールの一般的な目標値を示します。

1. 低リスクグループ

  • リスク要因: 主なリスク要因がほとんどまたは全くない人。
  • LDLコレステロール目標値: 160 mg/dL以下。
  • 管理戦略: バランスの取れた食事、定期的な運動、禁煙を含む生活習慣の改善。

2. 中リスクグループ

  • リスク要因: 2つ以上のリスク要因があるが、心血管疾患の既往歴はない人。
  • LDLコレステロール目標値: 140 mg/dL 以下。
  • 管理戦略: 生活習慣の改善に加えて、場合によってはスタチンなどの薬物療法を導入。

3. 高リスクグループ

  • リスク要因: 既存の心血管疾患がある、または糖尿病などの高リスク状態にある人。
  • LDLコレステロール目標値: 100 mg/dL以下、または特に高リスクの場合は70 mg/dL以下。
  • 管理戦略: 積極的な薬物療法によりLDLコレステロールを更に低下させ、心血管イベントのリスクを減少させる。

LDLの目標値は、個々の検査結果に基づき調整されることが多く、治療計画は医師の判断によって個別に設定されます。

 

 

コレステロールが高い食品は?

コレステロールが高い食品は、動物由来の脂肪を多く含むものに多く見られます。心血管健康を維持するためには、これらの食品を適度に摂取し、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。以下は、コレステロールが比較的高い食品の一覧です:

1. 卵黄

  • 卵黄一個には約186 mgのコレステロールが含まれています。卵は栄養価が高いため、摂取量を適切に管理することが推奨されます。

2. 肉類

  • 特に内臓肉(レバー、腎臓、心臓など)はコレステロールが高いです。その他、赤身肉や加工肉(ソーセージ、ベーコンなど)もコレステロールが含まれています。

3. シーフード

  • エビやイカなど、一部の甲殻類や貝類にはコレステロールが多く含まれていますが、魚類は心血管に良いオメガ3脂肪酸も豊富です。

4. バター

  • 動物性脂肪の一種であるバターには、高レベルのコレステロールが含まれています。使用量に注意し、代替品を検討するのも良いでしょう。

5. フルクリーム乳製品

  • 全脂肪の牛乳、クリーム、チーズなど、フルクリーム乳製品にもコレステロールが含まれています。低脂肪の選択肢を選ぶことで、コレステロールの摂取を減らすことができます。

6. ファーストフードと揚げ物

  • ファーストフードや揚げ物には通常、動物性脂肪が多く使用されているため、コレステロール含有量も高くなります。

7. 一部のデザート

  • クリームやバターを豊富に使用したケーキやアイスクリームなど、一部のデザートもコレステロールが高い傾向があります。

コレステロールの摂取を抑えるためには、植物由来の脂肪(オリーブオイル、アボカド、ナッツ類)を利用し、野菜や果物を豊富に取り入れることが推奨されます。定期的な運動と併せて、心血管健康の維持に努めることが重要です。

 

 

田園都市高血圧クリニックでは

初診時には、心電図、血管年齢の測定、血圧専用の血液検査を含む三つの主要な検査を行い、高血圧の原因を精査します。二回目の受診では、得られた診断情報を基に、具体的な治療方針を検討します。体組成測定を通じて筋肉量と脂肪量を評価し、患者の運動習慣と食事習慣に直接関連付けて分析します。

日常生活での塩分摂取の制限の重要性を強調し、1日の塩分摂取量を6グラム以下に保つよう指導しています。これは、理想的な体重の維持と高血圧の効果的な管理を目指すためです。当クリニックでは、血圧やコレステロールを管理するために、生活習慣を具体的な数値で管理しています。脂肪の量が多い場合は食事指導を強化し、塩分量が多い場合は塩分摂取の削減をサポートします。

LDLコレステロールの管理も個々の目標値を設定しています。食事の見直しを含む生活習慣の改善を通じて、LDLコレステロールを適切なレベルに保つことを目指します。これらの取り組みにより、これらの管理や数字が適切に管理することが、白衣高血圧の方にとって、お薬を飲まずに高血圧を治療をすることなります。

 

最後に

田園都市高血圧クリニックでは、高血圧や脂質異常症の原因を明確にし、生活習慣を数値で見える化することを目指しています。もちろん、すべての方が薬を使わないわけではありません。内服薬を選択する方もいれば、初期に内服薬を使用し、その後ダイエットに成功して薬を卒業される方もおります。それぞれの患者様のライフスタイルや健康状態に合わせて、最適な治療計画を提案し、サポートしています。特に女性の自然歴において多く見られる白衣高血圧や脂質異常症についても詳しく解説しました。この情報が皆さんのお役に立てれば幸いです。

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