お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

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お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

相談内容

30代女性。ダイエット外来があるというのを見て受診しようか悩んでいます。なかなか自身では痩せられず体重が増え続けているので専門家の話を聞きたいです。ただBMI36あるのですが肥満以外は今のところ健康面には問題ないので保険適用にならずお金がかかるのでは?と思っているのですが実際どうなのでしょうか?

米山先生からの回答

この度はお問い合わせいただき、ありがとうございます。ダイエット外来にご興味を持っていただき、大変嬉しく思います。体重増加が続き、専門的なアドバイスを受けたいとのことですね。ご自身の健康に対する関心が高く、素晴らしいことです。肥満があれば保険適用で診察を受けることができます。肥満には単純肥満と病的肥満があり、これらを診断するためには血液検査が必要です。特に肥満と勘違いしやすい病気や状態が隠れていることがありますので、肥満がある方には保険適応で肥満精査を行います。自己判断で肥満と決めつけるのではなく、医師の診察を受けて正確な診断を受けることが大切です。ですから肥満があれば保険適用で診察を受けることができます。以下に、医師が行うダイエット外来について以下にまとめます。

クリニックや病院で行うダイエット外来は、一般的なダイエットプログラムとは大きく異なります。その最大の違いは、医師の指導のもと、身体を医学的に検査し、健康状態に基づいた適切な治療やアドバイスが受けられる点です。単に体重を減らすことを目的とするのではなく、全身の健康を維持しながら、安全かつ効果的な減量をサポートします。

一方、一般的なダイエットプログラムは、身体の状態や内服中の薬、既往歴などを把握せずに進められることが多いため、健康管理の面で不十分な場合があります。ただし、病院で行うダイエット外来と他のダイエットプログラムを併用することも、効果的なアプローチとなり得ます。専門的な医療サポートと一般的なダイエット指導を組み合わせることで、より持続可能で健康的な結果が期待できるでしょう。

以下の内容は、当院のみならず他院で行っている肥満外来の内容でもあります参考になれば幸いです。

 

 

肥満治療は保険適用される?

肥満は、単なる体重の増加だけではなく、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを伴うことが多いため、医師が肥満を治療対象と判断した場合には保険適用となります。特にBMIが一定以上である場合や、肥満が原因で健康リスクが確認される場合、保険診療の対象となりますので、ご安心ください。

 

肥満の定義って知っていますか?

肥満とは、体に過剰な脂肪が蓄積された状態で、健康に悪影響を及ぼすリスクが高まる状態を指します。肥満は、通常、体格指数(BMI: Body Mass Index)によって定義されます。BMIは体重と身長を基に算出され、次のように分類されます。

BMIの計算方法  BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²

日本における肥満の定義(日本肥満学会)

日本では、BMI25以上を「肥満」と定義しています。

  • 18.5〜24.9: 正常体重
  • 25以上: 肥満

BMIが25未満でもダイエット外来を受診できる人

BMIが25未満でも、以下の条件に該当する方は、ダイエット外来での受診が適しています。これらの方は、体重や見た目では分かりにくい健康リスクを抱えている可能性があるため、専門的なサポートが推奨されます。

1. かくれ肥満の方

  • 体脂肪率が高い:BMIが正常でも、体脂肪が多く筋肉量が少ない場合(体脂肪率が男性で20%以上、女性で30%以上)、かくれ肥満とされ、ダイエット外来での管理が推奨されます。

2. 内臓脂肪が多い方

  • ウエスト周囲径が基準を超えている:内臓脂肪型肥満のリスクがある方。ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上の場合、心血管疾患や糖尿病のリスクが高まるため、専門的なケアが必要です。

3. 高血圧の方

  • 高血圧がある:BMIが正常でも、血圧が高い方や高血圧と診断された方。肥満以外にも生活習慣や遺伝的要因で血圧が高くなる場合があり、ダイエット外来での生活改善や治療が役立ちます。

4. 糖尿病(2型)の方

  • 糖尿病や血糖値が高めの方:BMIが正常でも、血糖値が高い、または糖尿病の診断を受けた方。生活習慣を見直し、体重管理が必要な場合、ダイエット外来が適しています。

5. 脂質異常症の方

  • コレステロールや中性脂肪が高い:BMIが25未満でも、LDLコレステロールや中性脂肪が高い場合、心血管リスクが高まるため、ダイエット外来で食事指導や生活習慣改善を行います。

6. 心血管疾患のリスクがある方

  • 家族歴や既往歴がある場合:BMIが正常でも、家族に心筋梗塞や脳卒中の既往歴がある、または自身に心血管疾患のリスクがある方。ダイエット外来で心血管リスクを管理することが推奨されます。

7. 睡眠時無呼吸症候群の方

  • いびきや無呼吸の症状がある:BMIに関係なく、睡眠中に呼吸が止まる、またはいびきがひどい場合は、内臓脂肪が影響している可能性があり、ダイエット外来での評価が必要です。

8. 変形性関節症の方

  • 膝などの関節に痛みや変形がある方:関節に負担がかかっている場合、特に膝や腰に症状がある場合、ダイエット外来で体重管理を行うことが推奨されます。また、医師から体重を減らすよう指導された方は、適切な減量指導を受けることが重要です。

 

BMIが25未満でも、かくれ肥満、内臓脂肪の増加、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心血管疾患のリスクがある方、変形性関節症のある方や医師に体重減少を勧められている方は、ダイエット外来でのサポートが効果的です。健康状態を医学的に評価し、適切な生活習慣改善や治療を進めることができます。

 

 

ダイエット外来において、医療用の体組成計が必要な理由とは?

ダイエット外来では、単に体重を減らすことを目的とするのではなく、全体的な健康状態を管理しながら安全かつ効果的な減量をサポートすることが重要です。体組成計は、そのプロセスにおいて以下のような理由から不可欠なツールです。例えば、筋肉が多いアスリートは、BMIでは肥満に分類されることが多いですが、体組成計で脂肪量を測定すると必ずしも肥満とは言えません。BMIが正常でも、脂肪が多く筋肉が少ないかくれ肥満もあります。このようにBMIのみでは正確な診断ができないので、体組成計が必要なのです。

1. 脂肪と筋肉のバランスを把握できる

体組成計は、単に体重を測定するだけでなく、体脂肪率や筋肉量を測定できます。これにより、脂肪の減少や筋肉の維持を確認し、健康的な減量が進んでいるかを評価できます。特に、筋肉量の減少を避けるためには、運動と栄養バランスの適切な指導が必要です。

2. 隠れ肥満の発見

見た目や体重だけでは判断できないかくれ肥満を見つけることができます。BMIが正常でも、体脂肪が多い場合は健康リスクが高いため、体組成計によって詳細な情報を得ることで、適切な減量プランを立てることができます。

3. 体液水分量の測定

体組成計は、体内の水分量を測定することも可能です。体液のバランスは体重管理や全身の健康に重要な役割を果たします。過剰な水分貯留や脱水の状態を把握し、適切な治療や食事指導を行うことで、健康的な減量をサポートします。

4. 基礎代謝量の測定

基礎代謝量は、日常生活で消費されるエネルギーの量を示します。これを把握することで、適切なカロリー摂取量を決定し、無理のない減量を進めることができます。また、基礎代謝量の維持・向上を目指して、運動療法や食事療法の計画が立てられます。

5. 定期的なモニタリングとフィードバック

体組成計を使用することで、定期的に体の変化を数値で確認できます。脂肪の減少や筋肉の増加、体液バランスなどの進捗をリアルタイムで把握し、それに応じてプランを調整することが可能です。

6. 個別化された治療プランの提供

体組成計で得たデータは、患者ごとの個別化された治療プランを立てるのに役立ちます。患者の体質や目標に応じたダイエット計画を立て、リスクを最小限に抑えながら効果的な減量が進められます。

 

体組成計は、体重だけではわからない脂肪量、筋肉量、体液バランス、基礎代謝といった詳細なデータを提供し、健康的なダイエットをサポートします。医師が個別に最適な治療を行うために、体組成計は不可欠なツールです。

 

 

肥満と勘違いしやすい病気があるの?

肥満は体重が増加する状態ですが、単なる生活習慣や食事だけが原因ではなく、他の病気や健康状態が体重増加を引き起こす場合があります。肥満と勘違いしやすい病気や状態について以下に説明します。

1. 甲状腺機能低下症(Hypothyroidism)

  • 症状: 体重増加、疲労感、寒がり、皮膚の乾燥、むくみ
  • 原因: 甲状腺ホルモンが不足すると代謝が低下し、体がエネルギーを効率的に使えなくなるため、体重が増加します。このため、単なる肥満と区別しにくいことがあります。

2. 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

  • 症状: 体重増加、不妊症、生理不順、多毛症
  • 原因: ホルモンバランスの乱れによりインスリン抵抗性が高まり、体重が増加しやすくなります。PCOSは、特に腹部の脂肪蓄積を引き起こしやすく、肥満と誤認されることがあります。

3. クッシング症候群(Cushing’s Syndrome)

  • 症状: 中心性肥満(腹部に脂肪が集中)、顔が丸くなる(満月様顔貌)、皮膚の薄化、筋力低下
  • 原因: 副腎から過剰なコルチゾールが分泌されることで体重が増加し、特に上半身に脂肪が蓄積されます。体重増加があるものの、一般的な肥満とは異なる脂肪の分布が特徴です。

4. 浮腫(むくみ)

  • 症状: 体重の急激な増加、手足や顔のむくみ、皮膚の張り
  • 原因: 心不全、腎不全、肝硬変などの疾患によって体内に水分が蓄積し、体重が増加することがあります。この場合、体重増加は脂肪ではなく水分によるものです。単なる肥満とは異なります。

5. 心不全

  • 症状: 体重増加、呼吸困難、疲労感、むくみ(特に足や足首)
  • 原因: 心臓のポンプ機能が低下し、体内に水分が溜まりやすくなります。その結果、体重が急に増えることがあります。体重増加が肥満ではなく、むくみが原因であることを見極めることが重要です。

6. 腎不全

  • 症状: 体重増加、むくみ、尿量の減少、疲労感
  • 原因: 腎機能が低下すると、体が適切に水分を排出できなくなり、体内に水分が蓄積して体重が増加します。この場合も、体重増加は脂肪ではなく水分によるものです。

7. うっ血性肝硬変

  • 症状: 体重増加、腹水(腹部に水が溜まる)、むくみ
  • 原因: 肝臓の機能が低下することで、腹水がたまり、体重が増加します。体重増加は水分の蓄積によるもので、肥満とは異なります。

8. インスリノーマ

  • 症状: 低血糖症状(めまい、発汗、意識混濁)、体重増加
  • 原因: 膵臓にできる腫瘍によりインスリンが過剰に分泌され、低血糖が頻発し、それに伴い過剰に食べることで体重が増加します。食べ過ぎが肥満の原因と考えられがちですが、病的なホルモン分泌が背景にあります。

9. 薬剤性肥満

  • 症状: 薬の服用に伴う体重増加
  • 原因: 一部の薬(ステロイド、抗うつ薬、抗精神病薬など)は、体重増加を引き起こす副作用があり、これが肥満と勘違いされることがあります。特定の薬を長期使用している場合、体重が増加しても、生活習慣だけが原因ではない可能性があります。

肥満と思われる症状でも、実際には病気や特定の健康状態が原因であることがあります。自己判断で肥満と決めつけるのではなく、医師の診察を受けて正確な診断を受けることが大切です。

 

ダイエット外来の利点とは?

お医者さんのダイエット外来には、以下の利点があり、医学的に裏付けられた安全で効果的なダイエットサポートが提供されます:

  1. 医学的に裏付けられた減量アプローチ
    医師の診察や検査結果に基づき、患者様個々の体質や健康状態に最適な減量プランを提供します。栄養バランスや代謝、ホルモンの影響を考慮した指導が行われ、単に体重を減らすだけでなく、全体的な健康改善を目指します。

  2. 健康リスクの管理
    肥満に関連する高血圧、糖尿病、脂質異常症などのリスクを評価し、早期に適切な対策を講じます。長期的な健康維持を目指しながら体重を管理します。

  3. 個別対応のダイエットプラン
    患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドのプランを作成し、無理なく続けられる持続可能なダイエットを提案します。

  4. 専門的なサポートとモニタリング
    定期的な体組成測定や血液検査を行い、減量が健康に与える影響を細かくチェックしながら、進捗を評価します。リバウンドを防ぎながら効果的な減量をサポートします。

  5. 薬物療法の導入が可能
    生活習慣の改善だけでは効果が出にくい場合や、健康リスクが高い場合には、必要に応じて薬物療法を導入することもできます。

  6. 心理的サポート
    医師のカウンセリングを通じて、ダイエットにおけるストレスや不安を軽減し、モチベーションを維持するサポートも行います。

  7. 内臓脂肪や代謝の評価
    体重だけでなく、内臓脂肪や基礎代謝も評価し、健康的な減量をサポートします。無理な減量による筋肉量の低下を防ぎ、代謝が低下しないようにします。

  8. 健康管理との統合
    肥満に関連する健康問題の治療とダイエットを統合的に管理し、全体的な健康改善を目指します。

 

 

肥満のタイプをどう見分ける?

肥満の鑑別診断は、肥満の原因やタイプを特定するために重要です。肥満は「単純肥満」と「病的肥満」に分類され、それぞれ原因や治療方法が異なることがあります。

 

1. 単純肥満

単純肥満は、主に生活習慣やエネルギーバランスの崩れによって起こる肥満です。過剰なカロリー摂取や運動不足が原因となり、体脂肪が蓄積します。以下が特徴です:

原因:

  • 食生活の乱れ(高カロリー食品の過剰摂取)
  • 運動不足
  • ストレスや睡眠不足
  • 遺伝的要因(肥満体質)

臨床特徴:

  • 体重増加がゆっくり進行する
  • 生活習慣改善による減量が可能
  • 合併症がないか軽度である(早期段階では高血圧や脂質異常症などは出にくい)

治療:

  • 食事療法(カロリー制限、バランスの取れた食事)
  • 運動療法(有酸素運動や筋力トレーニング)
  • 生活習慣改善(睡眠やストレス管理)

2. 病的肥満(症候性肥満)

病的肥満は、基礎疾患や内分泌・代謝異常など、特定の病気が原因で生じる肥満です。病的な背景を持つため、治療には専門的なアプローチが必要です。以下が特徴です:

原因:

  • 内分泌疾患: クッシング症候群、甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの低下による代謝減少)、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など
  • 遺伝性疾患: プラダー・ウィリー症候群などの遺伝的疾患
  • 薬剤性肥満: 一部の抗精神病薬、ステロイド、抗うつ薬の長期使用が肥満を引き起こすことがあります

臨床特徴:

  • 病気やホルモン異常による肥満であり、他の症状が伴うことが多い
  • 内分泌異常(例: クッシング症候群では顔のむくみや皮膚が薄くなる)
  • 薬の使用やホルモンバランスの異常が原因
  • 生活習慣改善だけでは体重減少が困難なことが多い

治療:

  • 基礎疾患の治療(内分泌の異常を是正するための薬物療法や手術)
  • 専門医による診断と治療が必要
  • 必要に応じて薬物治療(減量薬の使用)や手術的アプローチ(胃バイパス手術や胃縮小手術)

鑑別ポイント

  • 単純肥満は、生活習慣が主な原因であり、改善により体重減少が期待できます。
  • 病的肥満は、基礎疾患が関与しており、生活習慣改善のみでは減量が難しい場合が多いため、専門的な診断と治療が求められます。

患者の背景や合併症、生活習慣に基づいて、医師が適切な診断と治療方針を決定します。

 

ダイエット外来の欠点はなんですか?

ダイエット外来にはいくつかの欠点があります。例えば、フィットネス施設が併設されていないため、運動を取り入れる際には自身で行うか、他のダイエットプログラムやフィットネスに参加する必要があります。また、必要に応じて薬物療法が導入されることがありますが、減量薬には副作用や依存性のリスクが伴うこともあります。

しかし、ダイエットの基本は食事です。運動しても食べると太るからです。体組成計を用いたデータによる生活習慣の可視化と、定期的なデータ監視により、「やばい、ちゃんとしなきゃ」と意識を保つことができる点も大きなメリットです。どうせ誰かに監視されるのなら、医師の監視がある方がより信頼できると感じる方も多いでしょう。

 

 

まとめ

医師が関与するダイエット外来では、健康を第一に考えた総合的なアプローチが取られ、単に体重を減らすだけでなく、健康維持を目指すことができます。自己流ダイエットとは異なり、安心して持続可能なダイエットを実践するための専門的なサポートが得られる点が大きな利点です。当クリニックのダイエット外来では、保険適用のもとで安心して肥満治療を受けていただけます。血液検査や体組成計で肥満のタイプを分類し、ダイエット指導を行います。健康リスクを軽減し、持続可能な減量を目指して、専門的なサポートを提供いたします。ぜひ一度ご相談にお越しください。ご不明点や詳細については、いつでもお気軽にお問い合わせください。

院長 

 

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例えば、38℃の熱が出たのですが、このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか?
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