お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

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お悩み相談|田園都市高血圧クリニック かなえ|たまプラーザ駅南口より徒歩1分の内科・循環器内科

相談内容

年齢:73 性別:男性 相談内容: 帯状疱疹後神経痛でQOLが落ち ネガティブな思考に入りがちになってしまいます。 6月に発症し半年経ちましたが痛みは治らず タリーゼ、ツートラムを服用し最近はタリーぜ のみとなりましたが改善せず神経ブロック注射も ためしましたが期待した効果がありません。 以前のような生活を取り戻したく健康365 塗るフコールに期待したいと思います。 時間がたってしまいましたが大丈夫でしょうか

米山先生からの回答

ご相談いただきありがとうございます。帯状疱疹後神経痛(PHN)の痛みや、それに伴う気分の落ち込みについてお悩みのことお察しいたします。この状態が半年以上続いている中、さまざまな治療法を試してきたご苦労が伺えます。また、「塗るフコール」に期待を寄せられているとのことですが、こうしたサプリメントや外用薬については、効果に個人差があるため、担当の医師や薬剤師に相談しながら慎重に取り入れることをお勧めします。ただし、個人的には、改善の可能性がある治療法を試してみることは、気持ちの支えになるかもしれませんので、改善しそうなものは試してみるという意見です。帯状疱疹後神経痛は治療に時間がかかることがありますが、多角的な治療法を試みることで改善が期待できます。ご検討ください。以下に帯状疱疹後神経痛(PHN)についてまとめます。

 

帯状疱疹はなぜ起こる?

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症します。このウイルスは、初感染時に水痘(水ぼうそう)を引き起こし、その後、神経節に潜伏します。加齢やストレス、免疫力の低下によりウイルスが再活性化し、帯状疱疹を発症します。帯状疱疹後神経痛は、この再活性化に伴う神経の損傷や炎症が原因で生じます。

 

帯状疱疹後神経痛の症状とは?

帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia, PHN)は、帯状疱疹の皮疹が治った後も、神経に沿った痛みが持続する状態です。この痛みは以下のような特徴があります:

  • 刺すような鋭い痛み:針で刺されるような強い痛み。
  • 焼けるような感覚:皮膚の内部が燃えるように感じる。
  • 鈍痛:継続的な重い痛み。
  • 感覚過敏:衣服やシーツが触れるだけでも痛みを感じる。
  • 触覚異常:通常なら感じない刺激が強く感じられる。
  • 持続的な不快感:痛みが断続的ではなく、持続的で日常生活に支障をきたすことがある。

加えて、痛みが続くことで睡眠障害や気分の落ち込みが起こり、心理的な負担が増すことも少なくありません。

 

完治するのにどれくらいの期間がかかりますか?

PHNの回復期間は個人差があります。

  • 数ヶ月で回復するケース:比較的早期に痛みが軽減する人もいます。
  • 1年以上続く場合:高齢者や免疫力の低下がある方では、症状が長引く傾向があります。
  • 慢性化する場合:稀に、数年にわたって痛みが続くケースもあります。

早期に適切な治療を受けることが、回復を早めるために重要です。

 

帯状疱疹後神経痛に使用する薬は?

帯状疱疹後神経痛(PHN)において、すべての人に確実に効果が得られる治療薬は現時点で存在しません。しかし、痛みを緩和し、症状を改善するために、さまざまな薬剤が使用されています。これらの薬剤の効果には個人差がありますが、以下の治療薬が主に使用されています。帯状疱疹後神経痛の治療には以下の薬が使用されます

神経障害性疼痛を抑える薬

  • プレガバリン(リリカ)やミロガバリン(タリージェ)
    • 神経の興奮を抑える効果があります。
    • 痛みを軽減し、睡眠や生活の質を改善することが期待されます。
    • リリカと比較して、タリージェは副作用(眠気やふらつき)が少ないとされ、一部の患者で使いやすい薬剤です。
  • ガバペンチン
    • リリカやタリージェと同様に、神経痛の治療に用いられます。
  • ノイロトロピン
    • 神経の異常興奮を抑制し、帯状疱疹後神経痛に効果が認められています。

帯状疱疹後神経痛の治療は、個々の症状や体質に応じて薬剤を選択する必要があります。主治医とよく相談しながら、適切な治療を進めてください。

 

タリージェが効かない場合、どうしたらよいですか?

タリージェ(ミロガバリン)が十分な効果を発揮しない場合は、次の対応を検討します:

  1. 薬剤の変更や併用他の薬剤(プレガバリンや抗うつ薬)に変更、または組み合わせて使用。
  2. 神経ブロック注射の再検討注射の種類や部位を変えて試みる。
  3. 非薬物療法リハビリテーションや理学療法を組み合わせる。
  4. 心理的支援痛みが続くことによるストレスを軽減するためのカウンセリング。
  5. 専門医の紹介ペインクリニックや神経内科での精密診断を受ける。

帯状疱疹後神経痛に良い食べ物は?

帯状疱疹後神経痛(PHN)を完全に治す食べ物はありませんが、神経の修復や体調の改善をサポートする栄養素を摂ることは、症状の軽減や回復を促進する助けになる可能性があります。ただし、医学的根拠に基づく治療の補助として考え、担当医と相談しながら取り入れるようにしてください。

  1. ビタミンB群(特にB12):神経の修復を助けます。食品例:魚(サバ、サーモン)、卵、牛乳、ヨーグルト。
  2. 抗酸化物質炎症を抑える効果があります。食品例:ブルーベリー、ブロッコリー、トマト。
  3. タンパク質組織の再生を助けます。食品例:鶏肉、豆腐、大豆製品。
  4. オメガ3脂肪酸炎症を抑える効果が期待されます。食品例:イワシ、マグロ、亜麻仁油。

治療の主体は薬物療法や神経ブロックなど医学的治療であり、食事療法は補完的な手段とお考えください。バランスの良い食事を心がけながら、引き続き主治医と相談し、適切な治療を進めていくことが重要です。

 

帯状疱疹後神経痛の治療は何科で受けられますか?

以下の診療科で治療を受けることができます:

  1. ペインクリニック神経ブロックや薬物療法の専門。
  2. 神経内科神経の異常を評価し、適切な治療を行います。
  3. 皮膚科帯状疱疹の治療後の管理を行うことが多いです。
  4. 整形外科痛みが骨や筋肉に関連している場合、併診することがあります。

 

帯状疱疹後神経痛の日常生活でのセルフケア方法とは?

帯状疱疹後神経痛(PHN)の症状は、痛みの緩和を目指した治療に加えて、日常生活でのセルフケアを取り入れることで改善が期待できます。以下に、効果的なセルフケア方法をまとめます。

1. 患部を温めるまたは冷やす

  • 温熱療法

    • 体を温めることで血行が良くなり、痛みを軽減する効果が期待されます。
    • 温かいお風呂にゆっくり浸かり、全身を温めましょう。入浴にはリラックス効果もあります。
    • 患部にホットタオルを当てるのも有効ですが、感覚が鈍くなっている場合があるため、温度には注意してください。
  • 冷却療法

    • 特に急性期の炎症が強く、痛みが辛い場合は、患部に冷却剤を当てることで症状が和らぐ場合があります。冷却剤をタオルで包み、患部に軽く当ててみましょう。冷やしすぎには注意してください。
  • 温めるか冷やすかの選択

    • 温める冷やすかは、症状が楽になる方法を選ぶことが重要です。ご自身の体感に応じて試してみてください。

 

2. 患部を保護する(衣類や包帯の工夫)

  • 肌に優しい素材の衣類を選ぶ
    • チクチクした素材や装飾のある衣服を避け、綿や絹など肌に優しい素材のものを選びましょう。
  • 包帯やさらしの活用
    • 患部にさらしや包帯を巻くことで、衣服の摩擦を防ぎます。きつめに巻き、緩んだら締め直してください。

 

3. 痛み以外のことに集中する

  • 趣味を持つ
    • 読書、手芸、音楽など、自分が没頭できる趣味を見つけて、痛み以外のことに意識を向けましょう。
  • 散歩や外出
    • 痛みに囚われすぎず、自然の中でリフレッシュすることが効果的です。

 

4. バランスの取れた食生活

  • ビタミンB12を多く含む食品
    • 神経修復に役立つビタミンB12を積極的に摂取しましょう。
    • 食品例:しじみ、アサリ、サバ、イワシ、レバー、卵、乳製品。
  • 抗酸化物質を含む食品
    • ブルーベリー、ブロッコリー、トマトなどの抗酸化物質を含む食品を摂取することで、炎症を抑える効果が期待されます。

 

5. 適度な運動

  • ストレッチや散歩
    • 筋肉が萎縮しないよう、軽い運動やストレッチを日常に取り入れましょう。痛みに応じて無理のない範囲で行うことが大切です。
  • 運動療法
    • 理学療法士とともにエクササイズを行うことで、痛みの軽減や活動範囲の拡大が期待されます。

 

6. 十分な休養と睡眠

  • 睡眠環境の整備
    • 快適な寝具を用意し、痛みを軽減できるような睡眠環境を整えましょう。
  • 規則正しい生活
    • ストレスや疲労を溜めないため、生活リズムを整えることが大切です。

 

7. 心理的サポート

  • 気持ちを明るく保つ
    • 痛みを完全に受け入れ、無理をせず生活することで、心理的な負担を減らします。
    • カウンセリングやサポートグループの活用も検討してください。

 

日常生活での注意点

  1. 痛みを完全に取り除くことが難しい場合もある:痛みを受け入れ、痛みと上手に付き合うことも重要です。
  2. 無理をしない:痛みが強い場合は無理せず休むことが大切です。
  3. 医療機関との連携:定期的に主治医と相談しながら、セルフケアを進めましょう。

 

セルフケアと治療の両立

帯状疱疹後神経痛は、治療だけでは改善に時間がかかる場合があります。セルフケアを取り入れることで、痛みを軽減し、生活の質を向上させることが期待できます。どうぞ無理のない範囲で実践してみてください。

 

 

帯状疱疹後神経痛の改善は難しいのでワクチン接種を考えましょう

予防が大切、帯状疱疹

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の後遺症として長期間の痛みを引き起こす可能性があります。

帯状疱疹の予防には、ワクチン接種が有効です。2016年3月以降、50歳以上の方は帯状疱疹予防ワクチンを任意接種として受けられるようになりました。ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があり、生ワクチン(弱毒化ワクチン)は1回接種、不活化ワクチン(シングリックス)は2回接種が推奨されています。

 

帯状疱疹にかかった後、予防接種はできますか?

帯状疱疹を発症した後でも、再発予防や重症化防止のためにワクチン接種を検討することが可能です。

  • 対象年齢:50歳以上が推奨されています。
  • 効果:再発のリスクを減らし、万が一再発しても症状を軽減できます。

 

最後に(院長のまとめ)

帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹を発症した後の辛い後遺症の一つで、長期間にわたる痛みが患者さんの生活の質に大きな影響を与えることがあります。この痛みを完全に取り除く治療法はまだ確立されていませんが、さまざまな治療法や薬物療法を組み合わせることで、痛みを軽減し、日常生活を改善することが可能です。

特に重要なのは、帯状疱疹自体を予防することです。ワクチン接種は、帯状疱疹とPHNの発症リスクを大幅に減らすことが証明されています。50歳以上の方は、ぜひワクチン接種を検討していただきたいと思います。また、健康的な生活習慣を維持することで免疫力を高め、発症のリスクを下げることも予防に有効です。

PHNに苦しむ患者さんに対しては、痛みの管理とともに、患者さんの気持ちに寄り添ったケアが重要です。どうぞお大事になさってください。

 

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