30代、女性。はじめまして。2年ほど前から、肩甲骨のあたりの怠さや悪寒、微熱が続いています。はじめに症状が出たのは、肩甲骨の怠さでした。肩甲骨のあたりが苦しいようなもので、痛みはなく、前屈みで何かに掴まるか、しゃがんで数分すると落ち着くような感じです。大抵は早朝の家事のときに急に症状がありましたが、退勤時に歩いているときにも何度かありました。半年ほど過ぎてから、微熱が出るようになり、生理周期に関係なく微熱をうろうろするようになりました。それから悪寒(ひどいときにはガクガクとするような)が出て、起き上がることが難しいこともありました。悪寒は大抵、夜や夜中にありましたが、日中仕事や何もしていない時にも急に起きています。
内科を二カ所、紹介で甲状腺内科を受診し、一カ所目の内科では採血も必要ない、分からないと何も診察していただけませんでした。二カ所目の内科(婦人科内科)ではビリルビン数値がやや高いものの、感染症や膠原病などの疑いはないので、甲状腺内科を進められました。甲状腺内科では、甲状腺の若干の腫れや小さな嚢胞(良性だろうとのこと)はあり、白血球数値もやや高いが、甲状腺数値は基準値範囲内なので、問題ないと言われました。ちなみに、どの病院でもインフルエンザやコロナの検査は受けていて、陰性でした。
今現在も肩甲骨のあたりの違和感、苦しさ、微熱と悪寒の症状はあり、平熱が35℃前後と低めで微熱だけでも、つらいのですが、どうしたらいいのかもうわかりません。経過観察も含めて、受診先やアドバイスをいただると嬉しいです。
ご相談いただきありがとうございます。肩甲骨のあたりの不快感、微熱、悪寒といった症状が2年も続いているとのこと、心配の日々をお過ごしのことと思います。いくつかの医療機関を受診されても原因がはっきりせず、ご自身でもどこに相談すればよいか分からない、というお気持ちよくわかりました。
「原因不明」と言われたときこそ、複数の視点が役立つこともあります
医師の立場から申し上げると、検査結果が正常でも、症状があるという事実は軽く見てはならないと考えています。とくに慢性的な不調は、一つの診療科では捉えきれない複数の要因が絡んでいることも多く、違う専門の医師の視点を得ることが大きな助けになることもあります。「どこに行けばいいのかわからない」と感じたときこそ、複数の医療機関でご相談されることは決して遠回りではありません。むしろ、症状の糸口を探すうえで有効なアプローチです。
当院にご相談いただく場合には
当院では、こうした複雑な症状についても、まずは既にお持ちの検査結果をしっかり拝見したうえで、以下のようなプランをご提案できる可能性があります:
ご希望の際は、院長(米山)が診療している平日(月・火・水・金)のご受診をおすすめします。これまでの検査結果を可能な限りお持ちいただくと、スムーズな判断につながります。
「肩甲骨のあたりのだるさ」から考えられる鑑別疾患
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筋筋膜性疼痛症候群(MPS)
姿勢や筋肉の過緊張によって、痛みでない違和感や苦しさが起きることがあります。
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自律神経失調症/起立性調節障害(OD)
肩甲骨のこわばりや早朝の不快感、体位による改善などは、自律神経の調節異常でも見られます。
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心因性の体調不良(身体表現性障害など)
長期のストレスや不安が、身体症状として出現することがあります。
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胸椎・頸椎の関節・神経由来の不調
背骨の異常や神経圧迫でも似たような症状が現れることがあります。
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内臓疾患の関連痛(肝胆膵・胃・肺など)
稀ですが、内臓の異常が肩甲骨周囲の不快感として現れることもあります。
「悪寒・微熱」の持続から考えられること
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慢性感染症
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慢性炎症性疾患(膠原病、自己免疫疾患など)
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自律神経の失調
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ホルモンバランスの変化(副腎、甲状腺含む)
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慢性疲労症候群や心因性発熱
さいごに
いま感じておられる不安や体調不良は、きっと簡単に言葉にできないものだと思います。症状が長引くと、「このままずっとよくならないのでは」と思ってしまうかもしれませんが、一歩ずつ進めば、必ず体調は整っていきます。原因がすぐにわからないときこそ、焦らず、一緒に少しずつ糸口を探していくことが大切です。どうか、ご自身の体と心の声に耳を傾けながら、あきらめずに相談を続けてください。
院長