50代女性。帯状疱疹ワクチンが公費になると聞きました。横浜市に住んでいます。両親にクーポンが届きました。ネットで調べるとお値段だとか、2種類の帯状疱疹ワクチンがあり、どちらを摂取していいのかわかりません。教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

お悩み相談
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50代女性。帯状疱疹ワクチンが公費になると聞きました。横浜市に住んでいます。両親にクーポンが届きました。ネットで調べるとお値段だとか、2種類の帯状疱疹ワクチンがあり、どちらを摂取していいのかわかりません。教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
こんにちは。田園都市高血圧クリニック 院長の米山喜平です。質問ありがとうございます。今回は、「帯状疱疹と帯状疱疹予防ワクチン」について、わかりやすく、丁寧にお話ししていきます。「最近クーポンが届いたけど、どうしたらいい?」「ワクチンって2種類あるけど、どっちがいいの?」そんな疑問にお答えいたします。
横浜市に住民登録があり、令和7〜11年度(2025〜2029年度)の以下のいずれかに該当する方が対象です
年度内に65歳を迎える人(例:昭和35年4月2日〜36年4月1日生まれ)
60〜64歳でHIVなどによる免疫障害がある人(1級相当)
年度内に70,75,80,85,90,95,100歳(100歳以上は2025年度のみ)を迎える人
市から個別通知で予診票が送付されますが、②に該当する方は自ら区役所に取りに行く必要があります yokohama-aobadai-naika.jp+7
「横浜市帯状疱疹ワクチン接種協力医療機関」でのみ助成が受けられます 。
当院(田園都市高血圧クリニック)でも対応可能ですので、お電話またはネットでご予約ください。
ご予約は下をクリック下さい
ビケン(生ワクチン)は免疫が低下している方には接種不可です。
シングリックス(不活化ワクチン)であれば、がん治療中でも接種可能です(条件により主治医と相談のうえ)
実は、あの“水ぼうそう”のウイルスが、体の奥にひそんでいて、何十年もたってから再び暴れ出す──
それが「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」です。
加齢やストレス、免疫の低下などがきっかけで、ピリピリとした痛みとともに、赤い発疹や水ぶくれが帯のように広がってきます。
とくにご注意いただきたいのは、「後遺症としての神経痛」。
発疹が治っても、長期間痛みが残るケースもあるんです。
はい。必要です。帯状疱疹は、一度かかっても、再発する方は少なくありません。60歳をすぎると、再発率は5〜10%以上ともいわれています。そして、2回目の帯状疱疹のほうが、重症化しやすい。だからこそ、「一度経験した人こそ」、ワクチンでの再発予防が大切になります。帯状疱疹のワクチンを摂取しても、帯状疱疹になる方もいますので、帯状疱疹にかかったことがある方は、なおさら、ワクチン接種が必要な方かもしれません。
帯状疱疹の予防ワクチンは、現在「2種類」あります。
ひとつは、昔ながらの生ワクチン「ビケン」
もうひとつは、新しい不活化ワクチン「シングリックス」
簡単に表にまとめると、こんな違いがあります:
ワクチン名 | 接種回数 | 効果 | 対象 |
---|---|---|---|
ビケン(生) | 1回 | 約50〜60% | 免疫が元気な方(50歳以上) |
シングリックス(不活化) | 2回(2ヶ月あけて) | 約90%以上 | 免疫が落ちている方もOK(60歳以上推奨) |
比較項目 | ビケン(生ワクチン) | シングリックス(不活化ワクチン) |
---|---|---|
接種回数 | 1回 | 2回(2ヶ月あけて) |
予防効果 | 約50〜60% | 約90〜97% |
効果の持続 | 5年程度 | 少なくとも9〜10年以上 |
神経痛の予防 | データ少なめ | 高い予防効果がある |
免疫が下がった方 | 接種不可(禁忌) | 接種可能(がん治療中など) |
シングリックスが推奨される一番の理由は、高い予防効果と長期の効果持続です。さらに、帯状疱疹の後に起こる「神経痛(帯状疱疹後神経痛)」に対しても、しっかり予防できるという点が、今の医学的な研究でもはっきりしてきています。また、シングリックスは免疫が落ちている方にも接種できる安全性があるため、糖尿病、がん治療中、ステロイド内服中などの方にも適しています。
もちろん、ビケンも悪いわけではありません。軽い副反応で済むことが多く、1回で終わる手軽さも魅力です。ただ、70歳を超えるとビケンの効果が下がるとも言われており、年齢や持病を考慮したときに、「今後の安心」を選びたい方には、シングリックスが向いています。
一生に一度のクーポンを活かすなら、より割引額が大きく、効果の高いシングリックスを選ぶ方が、納得される方が多いように思います。当院でも「原則シングリックス推奨」です。その理由は、何といっても予防効果の高さと、9〜10年以上続く長期効果。たとえば、がんの治療中の方や、ステロイドを使っている方などでも安心して接種できるのが、このシングリックス。副反応(接種部位の痛みや軽い発熱)は少し出やすいですが、数日で落ち着く方がほとんどです。
そんな方に、朗報です。
横浜市などでは、帯状疱疹ワクチンに**助成制度(クーポン)**があります。
一生に一度だけもらえるクーポンですが、これを使えばこんなにお得になります:
ワクチン名 | 通常価格 | クーポン助成 | 自己負担 |
---|---|---|---|
ビケン | 約8,000円 | -5,000円 | 約3,000円で接種可! |
シングリックス(2回分) | 約44,000円 | -20,000円 | 約24,000円で2回接種! |
つまり、シングリックスは実質2万円割引。
今しか使えない貴重なチャンスなんです。
はい、とても大切なご質問です。まず結論からお伝えすると、現在の制度では、帯状疱疹ワクチンのクーポンは「原則、一生に一度だけ」支給されるものとされています。
「使わなかったから、来年また届く」ということはありません。
また、クーポンには有効期限があり、多くの自治体では「発行から1年間」や「年度末(3月末)まで」といった期限が設定されています。
その期限を過ぎてしまうと、せっかくの補助も無効になってしまうのです。
ご心配、よくわかります。ワクチンは予防のためのものですから、打ったあとに体調を崩すようでは本末転倒ですよね。帯状疱疹ワクチンには2種類ありますが、それぞれ副反応の出方が少し異なります。
ビケン(生ワクチン)は、副反応が比較的少ないのが特徴です。軽い腕の痛みや腫れなど、ごく軽度の反応でおさまることが多いです。
一方、シングリックス(不活化ワクチン)は、効果が高い分、接種部位の痛み・腫れ・発熱や倦怠感などの副反応が出やすい傾向にあります。特に1回目のあとに強く出る方もいますが、多くは2〜3日で自然に軽快します。
いずれの副反応も一時的なものであり、帯状疱疹という長引く神経痛を防げることを考えれば、予防効果の方が大きなメリットと言えるでしょう。
はい、こちらも大切なポイントです。実は、ビケン(生ワクチン)は「生きたウイルス」を弱らせたタイプのワクチンなので、がん治療中などで免疫が低下している方には接種できません。その一方で、シングリックス(不活化ワクチン)は遺伝子組換え技術で作られた“死んだウイルス成分”のワクチンのため、免疫が低い方でも接種可能とされています。がん治療中の方や、ステロイドを使用している方、免疫抑制剤を使っている方などには、シングリックスが安全で効果的な選択肢となります。主治医の先生とも相談のうえ、ご検討ください。
はい、当院では「帯状疱疹ワクチンのかんたんチェックリスト」をご案内しています。
年齢が60歳以上
糖尿病・高血圧などの慢性疾患がある
以前、帯状疱疹にかかったことがある
帯状疱疹後の神経痛を予防したい
70歳を超えており、ビケンの効果低下が気になる
ステロイドや免疫抑制剤を使っている
がん治療中、または治療後まもない
体調を崩しやすく、免疫が下がっていると感じる
「一度で終わり」よりも「長く効いて安心」を求めたい
クーポンを使うなら、より割引額の大きいワクチンがいい
以下の10項目のうち、5つ以上あてはまる方には、シングリックスの接種をおすすめしています。このスコアは、田園都市高血圧クリニックの独自のオリジナルです。便利に活用できる点が良い点です。
帯状疱疹は、予防できます。そして、「かからなければ」神経痛にもならないのです。クーポンは一生に一度。届いたその時が、人生のチャンスかもしれません。ワクチンについてもっと詳しく知りたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。あなたにぴったりの予防法を、いっしょに考えていきましょう。
田園都市高血圧クリニック 院長
米山 喜平
院長があなたのお悩みにお答えします。
お返事には2週間ほどお時間をいただいております。
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例えば、38℃の熱が出たのですが、このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか?
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