お悩み相談
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アルコール性肝硬変のケアについてご相談いただきありがとうございます。田園都市高血圧クリニック院長の米山喜平です。少しでも状態が改善して欲しい、適切なアドバイスが欲しい、何かしてあげられることはないのだろうか?という気持ちだと思います。僕が、適切なアドバイスを差し上げるためには、医師としてお父様の詳細な健康状態や医療履歴に基づいた情報が必要です。文章では僕がお父様の状態を把握することは難しく、そのため、私のアドバイスがお父様の具体的な状況に完全に適合しておりません。食事と栄養管理の重要性、定期検診の必要性、そして適切な医療ケアの継続についてご説明しますが、これらは一般的な内容に過ぎません。この点をご理解いただき、以下にアルコール性肝障害についてまとめます。また、お父様には適合しませんが、最近、新しい超音波診断で早期に肝硬変に至るまえの脂肪肝を検出できる技術もでできました。参考までにしていただければ幸いです。お父様の具体的な状況やニーズに最も適したアドバイスを得るためには、主治医との密接なコミュニケーションが不可欠です。不安や疑問がある場合は、遠慮なく主治医に相談ください。では、アルコール性肝硬変の対処法、ならびに、肝硬変について、そして、皆様が肝硬変にならないための対処法を解説します。
アルコール性肝硬変の患者様に対して、食欲不振や体重減少といった症状は、病気の進行による体の消耗や栄養吸収の問題によることが多いです。手術が適さないという状況では、主に対症療法や生活習慣の調整を中心に考える必要があります。


肝硬変の食事には以下のポイントがありますが、注意点や具体的な食事内容については、個人の状態や医師の指示に基づいてアドバイスが必要です。ご担当の先生の指示を受けてください。
お父様の健康と生活の質をサポートするために、これらの情報が役立つことを願っています。担当医や医療チームと密接に協力し、お父様にとって最適なケアプランを作成することが重要だと思います。肝障害の病名が一緒でも、肝障害の原因が個々に異なるため、治療方針は個人に異なります。担当の先生はあなたにどうしたらいいのか?を指導してくれます。同じ質問を担当の先生にご相談ください。また、担当医にソーシャルワーカーに相談できないか?相談することもよいと思いました。

ソーシャルワーカーは、医療、福祉、心理社会的サポートを提供する専門家であり、患者やその家族が直面するさまざまな問題に対して支援を提供します。肝硬変を患っているお父様のケースでは、ソーシャルワーカーは以下のような相談に乗り、サポートを提供することができます:
家での介護や見守りサービス
これらのサービスを利用することで、お父様の状態に合わせた適切なケアを提供し、家族の介護負担を軽減することが可能です。地域の社会福祉協議会や市町村の福祉窓口で、具体的なサービス内容や利用条件について相談することもできます。まず、担当医にソーシャルワーカーの必要性についてもご相談下さい。

アルコール性肝硬変とは、長期間にわたる過剰なアルコール消費により発症する肝臓の慢性疾患です。アルコールには肝臓に対する毒性があり、過度に摂取することで肝細胞がダメージを受け、炎症や細胞死を引き起こします。この状態が長期に渡って続くと、肝臓は修復を試みますが、その過程で正常な肝組織が線維組織に置き換わり、結果として肝硬変が生じます。

アルコール性肝硬変の症状には、全身の倦怠感、食欲不振、吐き気や嘔吐、黄疸、肝腫大、および消化器症状が含まれます。重症化すると、吐血、意識障害、出血傾向、腹水の蓄積が見られ、劇症肝炎のような急速な悪化を経て、1ヶ月以内に急変することもあります。

アルコール性肝障害の主な原因は、長期間にわたる過剰なアルコール摂取です。また、栄養バランスの偏りや腸管からの炎症物質の吸収も肝臓への負担となります。

脂肪肝やアルコール性肝炎の段階でアルコール摂取を止めない場合、肝硬変を発症するリスクは非常に高くなります。肝硬変に進行すると、肝臓の機能は著しく低下し、腹水、黄疸、吐血などの症状が現れます。しかし、アルコール性肝硬変の場合、断酒を続けることで状態が改善することもあります。

アルコール性肝硬変に至るまでの期間は個人差がありますが、男性の場合、日本酒5合を20~30年摂取し続けると肝硬変に進行することが多いです。女性は、同等の量を12~20年で肝硬変に至ることが示されています。
末期肝硬変では、肝細胞が大きく変形し縮小し、肝臓の正常な機能が大幅に損なわれます。栄養不足による体重減少、腹水の蓄積による腹部の膨張、吐血や昏睡のリスクが高まります。

アルコールを飲まない人でも、非アルコール性脂肪肝症から肝硬変や肝癌に進行するケースがあります。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、脂肪肝の状態から肝炎、さらには肝硬変や肝癌へと進行する可能性がある疾患です。その中で、約10~20%が肝硬変や肝癌へと悪化します。



アルコール性肝硬変の管理と治療は、アルコールの摂取を停止することから始まります。完全な禁酒は、肝臓のさらなる損傷を防ぎ、症状の進行を遅らせることができます。栄養状態の改善、合併症の管理、場合によっては肝移植が必要になることもあります。

肝硬変は、慢性的な肝臓の損傷が原因で正常な肝組織が線維組織に置き換わる疾患です。これにより、肝臓の機能が低下し、最終的には肝不全に至る可能性があります。肝硬変の原因は多岐にわたり、その病態は原因に基づいていくつかのカテゴリーに分類されます。

肝硬変の進行は、一般的に以下の2つの段階に分けられます。

Child-Pugh分類は、肝硬変の重症度を評価するために広く使用される臨床的指標です。この分類システムは、肝機能のさまざまな側面を反映する5つのパラメータを基にしており、肝疾患の患者さんの予後を予測するのに役立ちます。これらのパラメータには、ビリルビン値、アルブミン値、プロトロンビン時間(国際標準化比率[INR]を含む)、腹水の有無、肝性脳症の程度が含まれます。各パラメータには1から3の点数が割り当てられ、患者の状態が良好であれば1点、中等度であれば2点、重度であれば3点が与えられます。
Child-Pugh分類のパラメータ
Child-Pughクラス
得られた合計点数に基づいて、肝硬変は以下の3つのクラスに分類されます:
Child-Pugh分類は、肝硬変患者の管理において重要な役割を果たし、肝機能の低下に伴うリスクを評価し、肝移植の適切なタイミングやその他の治療戦略を決定する際の指標となります。

肝硬変の診断において、超音波検査は重要な役割を果たします。この非侵襲的な画像診断技術は、肝臓の構造と血流の変化を視覚化し、肝硬変の存在や進行度を評価するのに有用です。超音波検査を通じて、医師は以下のような特徴を観察できます:
アルコール性肝硬変は、長期間の過剰なアルコール摂取によって肝臓が損傷し、健康な肝細胞が線維組織に置き換わることで肝臓の機能が低下する病態を指します。肝硬変が進行すると、肝臓の機能が十分に果たせなくなり、食欲不振、体重減少、栄養不良などの問題が生じることがあります。

肝硬変の進行に伴い、上部消化管内視鏡検査(一般的に「胃カメラ」とも呼ばれる)は重要な診断ツールとなります。この検査を通じて、肝硬変に伴う様々な合併症の有無や進行度を評価することができます。特に、以下のような状態の確認に役立ちます:
上部消化管内視鏡検査の結果は、肝硬変の管理と治療計画において重要な情報を提供します。食道や胃の静脈瘤が発見された場合、それらが出血するリスクを低減させるための予防措置が講じられることがあります。これには、薬物療法や、必要に応じて静脈瘤に対する内視鏡的治療(例:内視鏡的バンディングや硬化療法)が含まれます。
患者さんの状態に応じた適切なフォローアップと管理が、合併症のリスクを最小限に抑え、患者さんの生活の質を維持するために重要です。

肝硬変の診断において腹部CT検査は重要な役割を果たします。CT検査は肝臓の構造を詳細に視覚化し、肝硬変の存在や進行度を評価するために用いられます。肝硬変の腹部CT検査の結果は、以下のような特徴を示すことがあります:
腹部CT検査は、これらの特徴を用いて肝硬変の診断をサポートし、病状の評価、治療計画の立案、およびフォローアップのための重要な情報を提供します。しかし、CT検査だけでなく、患者の臨床的な症状、血液検査の結果、他の画像診断結果と合わせて総合的に評価することが必要です。

肝硬変の診断においてMRI検査は重要な役割を果たします。この検査は、肝臓の詳細な画像を提供し、肝硬変の程度、合併症の有無、および肝臓内の可能な腫瘍(肝細胞がんなど)の存在を評価するのに役立ちます。MRIは非常に高い空間分解能を持ち、肝臓の細かな構造変化を視覚化できるため、肝硬変の診断とモニタリングにおいてCT検査や超音波検査と並んで重要なツールとなっています。
肝硬変のMRI検査結果に含まれる可能性のある所見
MRI検査の結果は、肝臓の構造と機能に関する貴重な情報を提供し、肝硬変の診断、病期の決定、治療計画の立案、および経過観察に不可欠です。肝硬変の管理においては、これらの画像診断結果を他の臨床所見や検査結果と総合して評価することが重要です。

早期診断で肝臓を守る超音波診断装置が開発されました。新たな超音波診断技術で脂肪肝の進行度合いを客観的評価することができる時代がきました。新たな超音波診断技術で脂肪肝の進行度合いを客観的評価することができる時代がきました。キヤノンメディカルシステムズ株式会社が、Attenuation Imaging(ATI)、超音波の周波数依存性減衰を診る技術を開発したのです。これまでのエコー検査による脂肪肝の評価は、簡単にいうと医師・技師の目視と経験に基づくものでした。しかしながら、ATI(Attenuation Imaging)は脂肪肝の程度を数値で評価するためより客観的に早期の脂肪肝を評価できます。

CANON ホームページより https://global.canon/ja/technology/ati2023.html
2024年2月の現在は、ATI(Attenuation Imaging)は保険適応がなく、導入している病院は非常に少ないです。病院にお問い合わせ下さい。田園都市高血圧クリニックはATIが可能な施設です。田園都市高血圧クリニックは、ATI(Attenuation Imaging)が行えるように設備しました。当院は、ATIを施行するにあたり特別な追加は料金はなく、通常の腹部超音波に加えて行なっている追加のサービスです。ご希望の方は腹部超音波をご予約ください。肝臓、胆のう、膵臓、腎臓とともに、ATIでより早期な脂肪肝の評価が可能になります。

肝硬変に至ってしまうと治療が難しい病気です。したがって、治療と同様に予防が重要になってきます。食欲や体重はなかなか戻らないのでしょうか。何かいい方法はありますか?病院は変えずにそのままで大丈夫なのでしょうか?という質問よく受けます。一番、身体や肝臓を把握している担当医の先生の相談が、僕のアドバイスより間違いなくてよいと思います。医師は、セカンドオピニオンやを希望された場合に、お断りすることはありませんので、担当医にいろいろ相談できたらよいと思いました。
食べすぎや運動不足などの生活習慣が原因で、肝臓に脂肪がたまり、肝機能の障害を起こす「非アルコール性脂肪肝疾患」が日本でも増加しています。これは、アルコールをあまり飲まない人に起こる脂肪肝で、国内に1,000万人以上いると推定されています。肝臓の初期は、自覚症状が少なく、肝硬変や肝がんといった重篤な状態で発見される事が多いため、早期の発見や予防が非常に重要になります。そんな中、キヤノンメディカルシステムズ株式会社が、Attenuation Imaging(ATI)、超音波の周波数依存性減衰を診る技術を開発しました。僕は、地域の内科医として、TANITAの体組成計やATIを使って、早期の発見や予防、ダイエットを中心とした体質改善を行なっていこうと改めて思いました。どうかお大事になさってください。状態が少しでも改善されますように。
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例えば、38℃の熱が出たのですが、このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか?
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