46歳の男性、健康診断で肝機能の異常があり、脂肪肝と言われました。どうしたらいいでしょうか?
お悩み相談
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46歳の男性、健康診断で肝機能の異常があり、脂肪肝と言われました。どうしたらいいでしょうか?
質問ありがとうございます。田園都市高血圧クリニックかなえ、院長の米山喜平です。健康診断で脂肪肝と書かれていた、肝機能異常と言われた、要経過観察になったこのような結果を見て、どうすればよいのか分からず不安を感じている方は少なくありません。脂肪肝は、自覚症状がほとんどないまま進行することがある病気です。健診で指摘された段階で、現在の状態を正しく把握することが重要です。しかしながら、多くの場合は、食事を変えることで改善してしてくることがあります。ここでは、脂肪肝について、どのように対処したらよいのかを説明したいと思います。

脂肪肝とは、肝臓の細胞の中に中性脂肪が過剰に蓄積した状態です。
現在は、お酒をほとんど飲まない方でも
体重増加
内臓脂肪の増加
血糖や中性脂肪の上昇
高血圧
などを背景として起こる代謝関連脂肪肝が増えています。
脂肪肝の中には、ほとんど進行しないタイプもありますが、炎症を伴い進行するタイプでは、肝硬変や肝がんにつながることがあります。

「脂肪肝」の呼び名がここ数年で大きく変わっています。
| 旧名称 | 新名称(2024年8月 日本語正式確定) | 読み方 |
|---|---|---|
| NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患) | MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患) | マッスルディー |
| NASH(非アルコール性脂肪肝炎) | MASH(代謝機能障害関連脂肋肝炎) | マッシュ |
| 脂肪肝(fatty liver) | SLD(脂肪性肝疾患) | エス・エル・デー |
| — | MetALD(代謝機能障害アルコール関連肝疾患) | メタ・エー・エル・デー |
MASLD(マッスルディー)の進行確率(重要な数値)
MASH → 肝硬変への悪化確率:1〜10%/年
肝硬変 → 肝細胞癌の発生確率:0.5〜2.5%/年
MASH → 肝細胞癌の発生確率:0.01〜0.2%/年
F3(高度線維化)→ 非代償性肝硬変への悪化まで:5〜6年
ここでは、まとめて、脂肪肝と表現いたします。
以下のすべてを満たす場合がMASLD:
① 画像検査で脂肋肝がある(肝臓重量の5〜10%以上が脂肋)
② アルコール摂取が少ない以下に該当:
③ 以下の代謝異常リスク因子のいずれかに該当:
脂肪肝は、多くの場合症状がありません。そのため症状がないから大丈夫、毎年同じ結果だから問題ないと考えてしまいがちですが、症状の有無と進行度は一致しません。一方で、体がだるい、右上腹部の違和感、食欲の低下、むくみなどがある場合は、注意が必要です。

脂肪肝が進行すると、肝臓の炎症、肝線維化、肝硬変へと進むことがあります。また脂肪肝は、心筋梗塞や脳卒中などの血管の病気とも深く関係しています。脂肪肝は、肝臓だけの問題ではなく、全身の健康状態を示すサインです。

問診
体重や腹囲の変化、食事内容、運動習慣、飲酒の状況、既往歴を確認します。
血液検査
肝臓の状態だけでなく、脂肪肝の背景や、他の肝疾患が隠れていないかを確認します。
腹部エコー
脂肪肝評価で最も重要な検査です。肝臓に脂肪がどの程度たまっているか、形や大きさを確認します。

田園都市高血圧クリニックでは、CANON社製の超音波診断装置を使用し、ATI(Attenuation Imaging:減衰イメージング)という最新技術で脂肪肝の検査を行っています。ATIとは、超音波の減衰(弱まり方)を利用して、肝臓の脂肪量を定量的に評価する技術です。従来の超音波検査では、脂肪肝を「見た目」で判断していましたが、ATIでは数値で脂肪量を測定できるため、より客観的で正確な評価が可能になりました。検査は、超音波をあてるだけで痛みがない、経過観察に最適で「前回より脂肪が減った」「増えた」が明確に分かります。そして、被曝がない検査です。
ATIの数値の見方(目安)
| ATI値 (dB/cm) | 評価 |
|---|---|
| < 0.60 | 正常範囲 |
| 0.60〜0.80 | 軽度脂肪肝 |
| 0.80〜1.00 | 中等度脂肪肝 |
| > 1.00 | 高度脂肪肝 |
※上記は一般的な目安です。個別の評価は医師が総合的に判断します。
ATI検査が推奨される方
ウイルス性肝炎
薬剤性肝障害
自己免疫性の肝臓の病気
胆のう・胆管の病気
脂肪肝と決めつけず、安全面で鑑別を行います。これらの病気がなければ食事や運動などの治療で、脂肪肝は改善することが多いです。

脂肪肝治療の基本は、生活習慣の調整です。現在、脂肪肝そのものを直接治す特効薬はなく、肝臓の脂肪を減らす、炎症を抑える、進行を防ぐことです。ことが治療の目的になります。

アルコール制限(いかなる飲酒も肝臓への負担になる)と糖質制限が基本になります。
食事療法:
運動療法:
具体的には、甘い飲み物や菓子類を見直し、糖質をカットする。脂質は量より質を意識するたんぱく質をしっかり摂る。食事の時間と量を整える。極端な制限ではなく、続けられる形を大切にします。体重が減れば肝臓の脂肪も減っていきます。

医学的には、体重の3〜5%減少で肝脂肪が減少し始め、7〜10%減少で炎症や線維化の改善が期待されています。重要なのは、無理なく続けられるペースです。体重だけでなく体の中身が重要です。脂肪肝では、体脂肪量も多いことが多く、筋肉量のバランスが重要です。体重が同じでも、体組成が違えば肝臓への影響は大きく異なります。

当院ではTANITA体組成計を使用し、体脂肪率、内臓脂肪レベル、筋肉量、体型の傾向を客観的に評価します。また、血液検査の結果や腹エコーの結果で指摘な体重を決めます。これにより、何キロ減らすかだけではなく、どの成分を減らすべきか、を明確にし、脂肪肝改善を目的とした指摘体重を設定します。
治療薬はまだ日本国内で承認されておりません。以下に海外の情報をまとめておきます。
1. GLP-1受容体作動薬(インクレチン系)
現在最も注目されているMASLD治療薬のカテゴリ
2. レスメチロム(Rezdiffra)
3. その他の薬物療法
| 薬剤 | 機能 | 適用場面 |
|---|---|---|
| ピオグリタゾン(アクトス) | PPAR-γ作動薬・インスリン抵抗性改善 | 糖尿病なしのMASH(肝生検確認済き) |
| SGLT2阻害薬(ダパグリフロジンなど) | 肝脂肋量減少・代謝改善 | 糖尿病・肥満合併時に検討 |
| ビタミンE | 抗炎症作用 | 糖尿病なし・肝硬変なしのMASH(注:長期使用で出血性脳梗塞・前立腺がんリスク報告あり) |
■ 日本の状況(2025年現在)
横浜市青葉区、たまプラーザ駅近くの田園都市高血圧クリニックかなえでは、健康診断で診断されやすい脂肪肝について、医学的根拠に基づいた評価と治療を行うお腹・肝臓外来を開設しています。
このような方におすすめです
健康診断で脂肪肝を指摘された
肝機能異常が続いている
高血圧や脂質異常症がある
体重やお腹周りが気になってきた
横浜・たまプラーザ駅近くで肝臓の相談ができる内科を探している
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最後に
脂肋肝と言われると不安になるかと思います。でも「今日から」取り組むことで改善に向かうことが十分可能です。肝臓は回復力がとても高い臓器です。早めに動き出すほど、結果も良くなることがあります。
院長
院長があなたのお悩みにお答えします。
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例えば、38℃の熱が出たのですが、このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか?
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